2018/06/02(土)IPv6の基礎(5) - 機器設定時に必要と思われる知識

前回は、IPv6のアドレス種別について簡単に示してみましたが、
今回はもうちょっと細かい部分を示します。理解しておかないと、この先益々チンプンカンプンになる可能性がありますので、是非一度眺めてください。
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・ユニキャストアドレス
 一言で「ユニキャストアドレス」と言っても主なものだけでもこれだけの種類があります。
 このうち、3) と 4) は、2018年6月現在では既に廃止されているため、古い機器の設定や古い文献を参照する場合は注意です。
 廃止時点で既にこの世に出回っている機器で廃止された機能を使うことは妨げないことになっていますが、結局、近い将来に新しい機器との相性問題になるため、廃止された機能等は使わないようにするべきです。

 このうち、ユニークローカルユニキャストアドレスは、IPv4における「プライベートIPアドレス」と同じように使用できるアドレス領域として規定されています。
 以前は、似たような目的で「サイトローカルユニキャストアドレス」というのが規定されていたのですが、これは「ユニークローカルユニキャストアドレス」に置き換えることとなっています。

・エニーキャストアドレス
 エニーキャストアドレスは専用のアドレス領域が割り当てられておらず、プレフィックス以外の部分のアドレス表現で、ユニキャストアドレスと区別されるようになっています。
 例示は、よく使われるプレフィックス長 /64 の場合ですが、インタフェースIDの部分(IPv6 アドレスの後ろ半分)が fdff:ffff:ffff:ff80 ~ fdff:ffff:ffff:ffff のアドレスと、0000:0000:0000:0000 はエニーキャストアドレスとして解釈されるので、ユニキャストアドレスとして使用することができません。こういった部分に注意する必要があります。

・マルチキャストアドレス
 IPv6においては、先頭が ff~ で始まるIPアドレスは、マルチキャストアドレスと規定されており、仕様で定められているマルチキャストアドレス以外は、ユーザが自由に割り当てることもできます。
 IPv6は、IPv4にあった「ブロードキャスト」が仕様として存在しないため、代わりに「マルチキャストアドレス」を使うように置き換えされています。
 例示は、必要不可欠で必須的に使われている2つのマルチキャストアドレスを示しています。