2018/06/06(水)IPv6の基礎(8) - 機器設定時に必要と思われる知識

今度は、IPv6アドレスをどのように自動設定するかの仕組みの話です。
IPv6機器を設定する際、特にルータを設定する際、ここに挙げた知識が無いと設定項目の意味が理解できない場面があります。
1枚に収まりきまらなかったので、2回に分けて掲載します。
20180606_1.png


一般的なのが、上記で示すステートレス自動設定で、ICMPv6 を使って設定されます。
IPv6におけるICMPv6は、ネットワークリンクの自律的維持を行うようにある程度の特化がされている部分が、ICMPv4と異なる部分です。

図では明示していませんが、IPv6 においては、同一のLANインタフェースが、複数のIPv6アドレスを認識・所持します。
これは IPv4 とは大きく異なる部分です。

少なくとも1つのリンクローカルアドレス、1つのマルチキャストアドレス(全ノードマルチキャストアドレス=ff02::1)、1つのユニークローカルユニキャストアドレスかグローバルユニキャストアドレスの3つを同一LANインタフェースにて所持する形になります。

IPv6機器がIPアドレスを自動設定する際は、先ずサイト自体で、一定のルールに基づいたインタフェースIDを自動生成し、それをプレフィックスと合体させ、IPv6アドレス自体が他ホストと重複していないのを確認する作業が行われ、これを近隣要請(NS)・近隣広告(NA)と呼びます。

ICMPv6 によるIPv6アドレス自動設定は、リンクローカルに接続されているルータによって、接続に必要な情報が与えられることで機能します。これをルータ要請(RS)・ルータ広告(RA)と呼び、特にルータ広告は接続に必要な情報を与えることから、「RA設定」などと呼ばれています。

また、ルータ広告は定期的(10分毎に行う機器が多い)にルータがマルチキャスト(ff02::1) にて送信する仕様にされているので、ルータの設定変更に自動追従が可能なのも大きな利点です。