2006/03/13(月)電波障害に関する規格

2006/03/13 23:55 VHF帯以上のDX
殆どの電化製品や情報機器(コンピュータ、プリンタ、デジカメなど)は、その機器が動作しているときは、周囲に「雑音」を撒き散らしています。
「雑音」といっても、それは耳に聞こえず、「電磁波≡妨害電波」の形で現れます。

ブラウン管タイプのTV受像機のすぐそばにAMラジオでラジオ受信を試みると、かなり激しい妨害電波のせいでラジオ放送が聞くことができないと思います。
これは、TV受像機がラジオ放送が行われている周波数帯に妨害電波を出しているからです。

「隣りの家でTVを見ているおかげで、妨害電波が飛び交いラジオ放送が聴けない」
という状況にならないように、米国ではFCC規格,ヨーロッパではEN規格が定められ、法律の縛りがあります。

ところが日本では、そのような規格はありません。先進国で法律の縛りがあるそのような規格が無いのは日本だけ です。

ただし、日本には、情報機器業界の自主規制規格がかろうじて唯一の状態で存在します。
それがVCCIと呼ばれるものです。法規制ではないので、これを守るかどうかは、メーカの自主的判断です。

ここで言う「妨害電波」はFCCやVCCIの規格では「不要輻射」と呼ばれ、

FCC classA < VCCI classA < VCCI classB << FCC classB

の順で規制が厳しくなっているようです。
class A というのは、職場などのビジネス用途、 class B というのは、家庭用で、class B のほうが規制が厳しくなっています。

同じ classB でも VCCI classB と FCC classB では、かなりの差があるようです。
そして、基本的に両者とも 30MHz 以上の不要輻射に関しての規制で、30MHz 以下の短波帯、中波帯、長波帯は特にこれといった内容はありません。
FCC の方は450kHz から別の規制があるようですが、資料を見失ってしまって、よくわかりませんorz

一応、これらの規格を守っていれば、「問題は起きない」とされていますが、中波帯・短波帯では無視できないレベルの不要輻射の影響を受けます。
FCC classA や VCCI class A だと、
「地元の放送局はなんとか取れるが、それ以外は周波数帯によっては無理」
というのが正直なところです。

最近のメーカー製PCや、ルータは FCC/VCCI classA 対応のものが殆どです。
実際、class A のレベルでは不十分で、実際には、ノイズ対策を施したコンセントなどを使う工夫が必要不可欠です。

当地でも、近所のTV受像機、近くにありPC、ルータが発生する不要輻射で、長波放送やFM放送が取れないことがあります。